アフリカの岩のようなゾウムシを紹介します。アフリカの南部、東部に生息するアカモンオウサマゾウムシ(学名 Brachycerus ornatus)です。ゾウムシの多くは、口の部分が象の鼻のように伸びています。この種は象にしてはちょっと短いですね。
このBrachycerusの仲間は体がとても硬く、ごつごつして岩のようになっています。本当に硬く、標本を作るときの針は、ドリルで開けて通しました。この標本の大きさは3mm程度で、この種の大きいものは45mmになるようです。大きく迫力のある虫です。このアカモンオウサマゾウムシの目を引く点は赤い点々ですね。なんとも目立つ模様をしています。 この見た目からかアフリカのサン人のお守りの部品となっているそうです(探したのですがお守りがどんなものかわからず残念)。エサはヒガンバナ科のアンモカリス(Ammocharis coranica)という植物です。ヒガンバナの仲間は毒をもつので、このゾウムシはエサとして食べて体にその毒を蓄えて、俺は毒をもっていると目立つ色をしているのかもしれませんね。
腹の黒い部分はよく見ると大小の出っ張りがあります。大きな出っ張りは規則的に並んでいます。
頭の正面の写真です。口は太く力強そうです。またBrachycerusの仲間は何のためかおでこの部分が出っ張っているものをよく見ます。
赤い模様は足の付け根にもあります。
裏側の写真です。ゾウムシの足の付け根はボールジョイントのようになっていて面白いなと思っています。また、蛇腹状のお尻の部分もとても固く体全体、鉄壁の守りになっています。小さな重機のような昆虫です。
Brachycerusの仲間は、岩が生き物になったような魅力があり、ほかの種類も紹介していきたいと思います。
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